10日で覚える電子工作超入門 3
  • 電気の単位と数値・配線図を書く
    1. 電圧と電流
    2. 抵抗と電力
    3. オームの法則
    4. kとm
    5. 練習問題
    6. 配線図を書く

    電圧と電流

    電圧の単位はボルトで、Vで表します。また計算式の中では、E もよく使用されます。電気を流す強さを表します。
    電流の単位はアンペアで、記号はAを使用します。また計算式中では、I となります。電気の流れる量のことです。

    電気はよくダムに例えられます。電圧は水の溜まっている高さ・電流はパイプを流れる水の量・抵抗はパイプの太さで考えることが出来ます。 水の高さが高くなったり、パイプが太くなると水の量は増えます。これは電圧が高くなったり、抵抗が小さくなた場合と同じです。

    抵抗・電力

    抵抗は電気を調節する部品です。抵抗に電圧をかける(電池に抵抗をつなぐ)と電流が流れます。もちろん電流の大きさに関係しますが 抵抗は発熱して熱くなります。熱くなるエネルギーが電力です。

    抵抗はΩを使いオームと呼び記号は R です。電力は W でワットで記号は P です。

    余談ですが、電力に0.24を掛けるとカロリーになります。電力=発熱

    オームの法則

    これは避けて通ることが出来ません。式は3つあるが、変形するとすべて同じです。
    I=E/R (A=V/Ω) ・ E=I・R (V=A・Ω) ・ R=E/I (Ω=V/A)

    電力に関係する式も 3つありますが基本は、
    P=E・I (W=V・A)
    P=I・I・R (W=A・A・Ω) ・ P=E・E/R (W=V・V/Ω)

    キルヒホッフの法則:これも有名ですがあまり意識しなくても自然に身につくでしょう。

    抵抗で電圧の分割

    電圧は2点間の電位の差(電位差)のことです。

    テスタ棒の黒をGNDにあて赤棒をR1に当てます。電圧は当然6V。今度は赤棒をR2に当てると3Vになります。6Vが半分の3Vになりました。

    今度は右図でGNDとTP3の電圧(GNDからの電位)はいくらでしょうか?答えは3Vです。R3とR4を足すとR1と同じくなります。

    TP2は4.5VTP1は6Vです。黒棒をTP3に当て赤帽をTP2に当てると、TP3とTP2の電位差1.5Vが測定できます。

    kとm

    電気で扱う数字は非常に小さい数字から、とても大きな数字まで使用します。0が沢山ならんで読みずらくなるので、 0を3個まとめて記号を使用します。
    kは0が3個で1000倍する意味で、2kは 2000・3.3kは 3300・47k=47,000
    mは 1000で割った値です。5m=5/1000=0.005・22m=22/1000=0.022・680m=680/1000=0.68

    さあどうですか。実際にはもっと多くの記号を使います。
    小さい方から
    p(1/1,000,000,000,000)・n(1/1,000,000,000)μ(1/1,000,000)・m(1/1,000)・k(1,000)・M(1,000,000)
    それぞれ、ピコ・ナノ・マイクロ・ミリ・キロ・メガ(メグ)と呼びます。

    ミリとキロは後にメートルを付けると分かりますね。 注:もっとあるがここでは使用しません。

    練習問題1

    1. 1.5Vの電池に10Ωの抵抗をつなぐと電流は?:
    2. 33Ωの抵抗に1Aの電流を流す電圧は?
    3. 100Vの電圧で0.1Aの電流を流す抵抗は?
    4. 10Ωの抵抗に2Aの電流が流れると電力は?
    5. 0.33MΩは何kΩ
    6. 20000mAは何A
    7. 3.3mAx5kΩは何V?

    配線図を書く

    何か物を作るには、配線図を書いて必要な部品を揃えます。例えば乾電池4本にLED(発光ダイオード)を接続し点灯させます。

    まず配線図は入口左・出口右が原則です。

    電池と抵抗と発光ダイオードを使って、発光ダイオードを光らす回路を設計してみます。

    1. 使う部品は3種類・乾電池は4本、抵抗・LED(発光ダイオード)
    2. 記号は何でもよいです。とりあえず四角にしましょう。
    3. 電池は極性と電圧があるので四角の上下にプラスとマイナスの記号を書きましょう。それと電圧も。4本なら6VでOK。
    4. 抵抗は極性が無いので四角に入口と出口に線の引き出しだけ書きましょう。
    5. 発光ダイオードは極性があります。入口にA(アノード)・出口にK(カソード)を書きましょう。
    6. 次に線を書き入れます。電池のプラスと抵抗の入り口・抵抗の出口とLEDのA・LEDのKと電池のー。
    7. 輪の中に3つの四角が出来ましたか?
    8. 記号を覚えた場合は記号を使用して書きます。
    9. 使用している部品には部品番号をつけます。一般に抵抗はR コンデンサC トランジスタQまたはTrなどです。
      R1・R2・R3・C1・Tr1・Tr2・・・のように、記号と数字で区別します。
    10. 抵抗を計算する前に経験やデータシートから2つの値を仮定します。
      回路に流す電流値とLEDの順方向電圧です。
       順方向電圧:LEDの場合1.5〜1.8V位です。1.7Vとしました。
       電流:赤LEDは1〜20mA位で光ります。20mA付近で使う場合はデータシートで確認します。普通10mA位ですが、5mAとしました。
    11. 抵抗の計算:計算は今後詳しく説明しますが、抵抗を計算するには電圧と電流を決定します。
       電圧は電池の 6V からLEDの 1.7V を引きます。(6-1.7=4.3V)
       電流は前の説明で 5mA と仮定しました。
       抵抗は、R=E/I=4.3/0.005=860Ω ですが、手持ちの抵抗から近いものを探します。1kΩ がありました。
       1kΩ を使用した場合の電流を逆算します。 I=E/R=4.3/1000=0.0043=4.3mA 5mA の予定でしたが、4.3mA でOKでしょう。
    12. 最後に部品表を作ります。

    13. 記号名称規格数量
      BT1乾電池 単3・1.5V 4
      R1抵抗 1kΩ・1/4W又は1/6W 1
      D1赤色LED 小型 1
      .電池ホルダー単3・4本用 1
    14. 参考回路図

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