電子工作には色々な道具が必要となります。最低必要な道具と選び方を解説します。
ハンダこては大小2本あると便利です。 プリント基板上で抵抗やトランジスタをハンダするのには15〜20W位のこてが必要です。しかしトランスとか端子のような大きめの部品をハンダするには20Wでは不足するので60W位欲しくなってきます。このクラスで2本あると十分でしょう。
温度コントローラの付いた高級品は熱量もありとても使い易いものですが、個人での使用には高級すぎるでしょう。
こてに付いているボタンでパワーを調整できるタイプのものは1本で大小兼用できるので便利です。
こてを置く台も必要です。乗せるタイプでなく、差し込むタイプは電気の切り忘れがあっても安全です。スポンジ付きでこて先を拭き取ることの出来るものが良いでしょう。
ハンダは糸ハンダを使用します。太さは0.8mmが良いでしょう。ハンダ技術が上がって通常の2.54mmピッチより狭いピン間隔のICを使用する場合は0.6mm位を使用します。ペーストは特別な理由が無いかぎり使用しませんので不要です。
ハンダは鉛とスズの合金ですが、最近は鉛の入っていないハンダもあります。また銅とか銀の入ったハンダもあります。ポリウレタン線は銅入りハンダを使用するのがベストです。理由はスズは銅を溶かすのであらかじめ銅の入ったハンダを使用すると 細いポリウレタン線が更に細くなるのを防止できます。
糸ハンダは中心にフラックスが入っています。こて先から出る煙はフラックスで、コテ先に溜まって煙の無くなったハンダは部品に付けることは出来ません。
こて先を部品に当て加熱したあと、部品とこて先の境目あたりに糸ハンダを当てるときれいにハンダが流れます。
ハンダはプリント基板に部品を挿しハンダする場合以外は、あらかじめ部品のハンダ付けする部分にハンダめっきをしておきます。(予備ハンダと言います。)きちんと予備ハンダしてあると簡単にきれいにハンダ付けが出来ます。きれいにハンダされたものを良く観察して、ハンダの良否を見分けましょう。
C国製の安物の目覚まし時計などはハンダが下手ですね。
1mm以下の銅線を切る小型のニッパが必要です。このニッパでは、たとえ細くても針金・鉄線を切断してはいけません。 100円ショップでもニッパは売っていますが、お勧めできません。
先が細くなっているペンチです。部品を曲げたりハンダ付けの時に部品をつまんだりします。
ニッパと違い100円ショップのものでの結構使えます。ストレートと先曲がりがありますが、安いので両方あると便利です。
プリント基板から一度ハンダした部品を外す場合に使用します。電動のものもありますが、手動のピストン式で十分です。手のサイズに合わせて片手で操作できるものを選びます。
また銅の網線で作ったハンダ吸い取り線もあります。1個あると便利です。ハンダを吸い取って硬くなったら切り捨てます。
良く言われるように電気は目に見えません。見えない電気の状態を調べる計器です。アナログ(針表示)とデジタル(数字)があるが、やはりデジタルですね。針の方が良い場合もありますが、1台ならデジタルです。値段は1万円以上のものから1000円位までありますが、ここでは高いものは必要ありません。安くて、チェックポイントはテスト棒を片手で箸のように扱えるものです。
最近はテスト棒に感電防止の滑り止めがついているようですが、片手で箸のように持って先端を合わせることが出来ないと不便です。滑り止めを切り取ると通電部に指が触れて感電することがあるので注意しましょう。特に30V以上を測る場合は必ず注意してください。テスト棒を2組用意するのも1案です。
導通ブザーとトランジスタのhfeを測れる機能はあると便利です。
テスト棒の代りにワニ口クリップとバナナチップの付いた線はあると便利です。自分で作りましょう。
ACアダプタ。スイッチング電源式で5Vと12Vがあると便利です。更にアダプタのプラグに合わせたジャックにワニ口クリップの付いたリード線。自分で作りましょう。