10日で覚える電子工作超入門 5
アナログ入門

OP-AMPのこと

OP-AMPはオペレーショナル・アンプリファイヤ、オペアンプ、演算増幅器とも呼ばれる、アナログ回路の代表選手です。

非反転入力・反転入力・出力の 3端子をもって、記号では 3角形で書きます。

TL082は代表的な2個入りOP-AMPです。
内部は15,6個のトランジスタで 1個のアンプが出来ています。
電源は1個のICに一組で、通常配線図上では省略しますが、配線しなければ当然動作しません。
電源ピンには0.1μFの積層セラミックコンデンサ(以下積セラ)を取り付けます。これも配線図では省略されることがあります。

OP-AMPの電源には、[トランスを使った電源]を使用します。

OP-AMPは非常に高いインピーダンス(とりあえず抵抗と同じような物と思ってください)の入力ピンがあり、非反転入力にプラスの入力があれば、プラスの出力が出ます。 反転入力にプラスの入力でマイナスの出力になります。

OP-AMPは非常に大きな増幅率を持っています。TL084で最小が25,000倍、標準で200,000倍詳しくは個別データシートによります。 1/1000V=1mVの入力で、25Vの計算になりますが、当然ですが電源電圧以上にはなりません。

OP-AMPは非反転と反転入力の差の電圧を増幅します。反転入力と出力を短絡して、非反転入力に 1Vを与えたとします。反転入力は出力と同じくなるので、
出力は 1-(1/25000)=0.99996Vから1-(1/200000)=0.999995Vになります。どちらにしても 1Vって考えてもかまいませんね。
この回路はボルテージ・フォロアやバッファといって重要な回路です。

非反転アンプ

注意:半導体には絶対最大定格という規格があり、一瞬でも超えてはいけない規格です。電源電圧は±18Vが多いです。 したがって一般的には±12Vか±15Vで使用します。
  1. バッファ
  2. ゲイン2倍

入力電圧は ICの 3PINと GNDの電圧で、出力はそれぞれ 1pin、7pinと GNDの間で測定します。ボリウムを廻し過ぎると出力が限界(飽和)まで行きます。

入力(V) 1pin(V) 7pin(V).
1 1 2 .
224 .
881116Vにはならない

OP-AMPには”イマジナルショート”という現象があります。非反転と反転のpinが見かけ上短絡しているという意味です。
裸のゲイン(オープンループゲイン)が非常に大きいため必要とする差の電圧が極僅かのため見かけ上同じ電圧に見える現象です。出力電圧の一部を反転入力に戻す(フィードバック) ことにより正確な増幅が可能です。
図5-4で Inが 1Vなら 6pinも 5pinと短絡なので 1V、更に R2も 1V、R1も 1Vで Outは 2V:別の見方をすると Outの 1/2が Inと同じ。

非反転アンプのゲインは、R1/R2+1倍になります。

反転アンプ

5-2とどこが違うかよく見て下さい。
  1. バッファ
  2. ゲイン-1倍

R2が出力 1に入り 5pinが GNDになっています。

入力(V) 1pin(V) 7pin(V).
1 1-1入力と出力の極性が逆になる
22-2 .
88-8.

Inが1Vなら 6pinはイマジナルショートで GNDなので電流は 0.1mA流れる。しかし 6pinの入力インピーダンスはとても大きいのでその電流はそのまま R1に流れる。 R1の電圧は 1Vとなり 6pinから 7pinに向かって電流が流れるので、6pinが 0Vなら 7pinは -1V。

もしも R1が 20kなら R1の電圧 2Vとなり Outは -2Vとなる。

反転アンプのゲインは、-R1/R2となります。

練習問題 2

  1. R2:10k・R1:30kなら非反転と反転のゲイン(増幅率)は?
  2. 10倍のアンプを作るには?
  3. 10000倍のアンプを作るには?

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